独断!2021年版「ゆく街・くる街」はこうなった
コロナによって人々の住む場所に求めるものが変わってきている。(写真:中山礼美)
コロナ禍で在宅時間が増え、地元で過ごす時間が増えたという人が多いのではなかろうか。当然、街に望むものも変わったはずである。東京以外に目を向けた人もいよう。2021年の「ゆく街、くる街」ではそうした点を意識、例年とは異なる視点も入れながら注目の街を紹介していきたい。
長らく住む場所としては「閑静な住宅街」がよしとされてきた。だが、住宅しかない「閑静な」街はこれからの時代、住みにくい街になっていく。徒歩圏内にリモートワークできるカフェもコワーキングもなければ、子どもを預ける施設もなく、公園は禁止事項だらけ、買い物に行くには店が遠く、テイクアウトのバリエーションも、徒歩圏の娯楽もない、ただ寝るだけの街。
静かに余生を送りたいならいいかもしれないが、人生を楽しみたいと考えるなら、閑静なだけの住宅街はつまらないし、不便。暮らし方、働き方が多様になる時代には街にもそれに応じた多様性が必要なのである。
すべてがほどよく揃っている街
立川(東京)
多様性に加え、住宅購入の可能性や選択の幅から考えると、現在、最強と思われるのが立川である。巨大駅ビルに複数の大規模商業施設、商店街、飲み屋街、オフィス・官庁街に広大な国営昭和記念公園があることは知られているが、加えて複数のホテルや映画館、劇場にライブハウス、ショッピングモール、美術館、立川まんがぱーくなるまんが図書館、巨大体育館、場外馬券売り場と、これだけ清濁を併せ呑む多彩な施設がコンパクトに集中している街は都心部以外では少ない。
2020年に立川駅近くに誕生、話題になった開発エリア「GREEN SPRINGS」。コンセプトとしたウェルビーイングもポピュラーな言葉になった(写真:筆者撮影)
注目したい数字が2つある。1つは映画館の数、4。現在都内の映画館は84館あり、立川の4館は銀座・日比谷・有楽町(10館)、渋谷(11館)、新宿(9館)、池袋(6館)に次ぐもの。都下では町田も多様な場のある街だが、映画館は町田駅から離れたグランベリーパークまで行かなければない。人口で考えると立川市は2020年12月で18万5000人弱、町田市は42万9000人弱。これが何を意味するのか、である。
もう1つの数字は4万6200円。これは昭和記念公園を臨む地に2020年6月にオープンして話題になったSORANO HOTELの客室のみの通常料金(公式ホームページから)である。オープン記念の朝食付きの料金でも4万円以上になっており、プロモーション料金などがあるとしてもそれなりの額。これまでの立川の平均的な宿泊料金を引き上げたと言ってもよく、それでも人気である。
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