Thursday, November 5, 2020

巣ごもり需要で好調 任天堂が営業利益予想を4500億円に上方修正 - livedoor

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[東京 5日 ロイター] - 任天堂は5日、2021年3月期の連結営業利益を従来予想の3000億円から前年比27.7%増の4500億円に上方修正した。「巣ごもり」需要をとらえて好調だった上期業績を織り込んだ。ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のハードとソフトの通期の販売予想も、ともに上方修正した。純利益は同16.0%増の3000億円の予想に上方修正した。実現すれば「ニンテンドーDS」や「Wii」が好調だった09年3月期以来、過去最高を更新する。

古川俊太郎社長はオンライン会見で「ハードの生産状況が回復し、スイッチのハード・ソフトとも好調な販売が継続した」と上期を総括した。スイッチのハードの販売予想は1900万台から2400万台に、ソフトは1億4000万本から1億7000万本にそれぞれ上方修正した。下期については「期初から大きな見直しをしていない」(古川社長)という。

エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは、会社側の通期見通しは控えめな数字と受け止めている。これから年末商戦期を控えており「ハードは2000万台後半が視野に入り、ソフトは1億7000万本を大きく上回りそうだ。営業利益は5000億円を上回ってくるだろう」と、安田氏は見ている。

<「あつもり」でユーザー層が拡大>

スイッチは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で春先に一時停滞した生産が夏場に回復。販売は「10月も勢いは継続している」という。古川社長は、3月に発売した「あつまれ どうぶつの森」のヒットを契機にユーザー層が拡大し「(あつもりが)ハード・ソフトとも販売に貢献している」との見方を述べた。

年末商戦に向けては「今期の販売計画を達成できる在庫の準備はできている」と述べた。ソニーの「プレイステーション5(PS5)」や米マイクロソフトの「XboxシリーズX」といった新型ゲーム機が発売されるが、ユーザー層が異なると見られている。古川社長は「直接的なビジネスへの影響はそれほど大きくない」と見ている。

スイッチ生産の中国以外の地域への分散の取り組みは、昨年夏に開始したベトナムでの生産が軌道に乗ったほか、今年夏からはマレーシアでも生産を開始しているとした。

上期配当は1株810円(前年実績は270円)に決定した。下期の配当予想は1株450円(同820円)とした。通期では1株1260円(同1090円)となる見込み。前提為替レートは1ドル105円、1ユーロ115円で変更していない。

<上半期利益が過去最高、利益率も向上>

同時に発表した20年4―9月期の営業利益は前年同期の約3倍の2914億円、純利益は同約3.4倍の2131億円で、いずれも過去最高となった。ハードは前年同期比80.9%増の1253万台、ソフトは同71.4%増の1億0025万本で、ともに前年同期の販売を上回った。

売上総利益率は、前年同期比8.4ポイント上昇の56.4%となった。為替によるマイナス影響があったが、ソフトウェアの売上構成比や自社ソフトの比率、デジタル売上高比率の上昇が寄与した。

四半期で見ると、7―9月期の営業利益は前年同期の約2倍の1467億円で過去最高だった。前四半期比でも1.3%増で勢いを維持した。純利益も過去最高だった。売上高は前四半期比で14.9%増の4114億円で、過去2番目の水準だった。

スイッチの7―9月期のハード販売台数は前四半期比で20.6%増の686万台と拡大基調を維持。前年同期比は42.7%増だった。ソフト販売本数は前四半期との比較では1.2%減の4982万本だったが、前年同期比では38.9%増と伸長した。

(平田紀之 編集 橋本浩)

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